世界の一流ホテルやレストラン、カフェで使われている、フランスの白い食器 ピリヴィッツ。
今年で創業200周年を迎えました。
小さな街の食器工房が、どのようにして世界的に愛される食器ブランドとなったのか。
今回は、今まであまりお話してこなかった、その歴史を紐解いていきたいと思います。
1818年、ジャン・ルイ・リシャール・ピリヴィッツは、
温暖な気候で知られるフランス中部の小さな街に磁器工場を創設しました。
それ以来200年間、ピリヴィッツ社は、
豊かな自然と水に恵まれたこの地で食器を作り続けることとなります。
1878年と1889年のパリ万博では金賞を受賞して世界的な名声を得、
オランダやエジプトの王宮を飾ります。
その美しさと品質から、
20世紀にはアラン・デュカスやピエール・ガニェールなどの一流シェフに愛用され、
ホテルやレストラン、カフェの業務用食器としても広く使われるようになりました。
そして2009年には、
フランスのクラフトマンシップと優秀な産業を維持するフランス企業に与えられる、名誉ある称号
「アントゥルプリーズ・デュ・パトリモワーヌ・ヴィヴァン」
(Entreprise du Patrimoine Vivant)に認定。
歴史を重んじながらも革新を続け、フランス磁器食器の最も歴史があり優れたブランドのひとつとして、世界に知られるようになりました。
ピリヴィッツの製品の大きな特徴のひとつが、やや青みを帯びた白色。
食材のもつ本来の色を映えさせ、料理を一層引き立てて美味しく見せてくれる、絶妙な色です。
その白は和食器との相性も良く、ヨーロッパ生まれのピリヴィッツが
日本の食卓になじみやすい理由もここにあります。
飽きのこないオーソドックスなデザインと耐久性、実用性から、フランス国内のみならず、
デンマークやスウェーデンなどの北欧や、アジア、アメリカの家庭のテーブルにも
のぼるようになりました。
生産工程は近代化を続けていますが、細かい作業は今も人の手で行われています。
その製品はすべて、今では数少ない100%フランス製。
長い歴史のなかで生み出されたフランスらしいデザインの数々は、
昔も今も変わらずに、食卓を楽しく彩ります。
伝統的なフォルムの他に、薄手でモダンなデザインのプレートやカップ&ソーサー。
オーブン料理が豊富なフランスらしく、オーブンウェアもたくさん。
さらにはパーティーで話題になりそうな、かわいい小鳥や牛、
月や葉っぱにお花などの自然から着想を得たモチーフなど、
豊かなバリエーションもピリヴィッツの魅力であり、愛され続けてきた理由でもあります。
長い歴史に裏打ちされた品質と、多種多様なアイテムを誇るピリヴィッツ。
次回はそのラインナップの中から、よりフランスらしい食文化を楽しめる
ピリヴィッツらしい器をご紹介します。
どうぞお楽しみに。